南風が吹き荒れた後の青い空
本編の公開が終了した。
撮影は9月。時間は過ぎていったし、心の中のあれこれも変化した。本編完成直後に書き始めたこれもまた大きく変わった。
誰も見ないものを何故作り続けているのか。その答えに当る何某かを摑んだ気分だ。
Blue skies after a southerly wind_南風が吹き荒れた後の青い空。
この題名は、撮影前日の台風接近と、当日の青空に由来する。撮影に際して、ある統一したアイデアを用意したが、それに必要な材料が、当日、揃っていなかった。已む無く、予定から外れていって撮り終えることになる。ちなみに、そのアイデアとは、或るフラン人作家の小説から発生している。フランスの女の子ではなく、ベトナムの女の子として撮りたかった。
しかし、予定通りの撮影が出来たとしても、思い通りのものにはならなかった気がする。
全5編のスライドの中で一番記憶に残っているのは、人工島の沖合に停泊している船の赤い色。台風接近に備えて、港外に避難していたのだろうか?西日に照らされた一瞬鮮やかに輝くのを、この美しい人の傍で遠望した。
自慢の娘をスナップする親バカのオッサン。
20年近く前に亡くなった父の愚行が、今は理解できる気がする。
Blue skies after a southerly wind なる題名は、既に述べたとおり、窮余の思い付きだったが、或る意味、的を得ていたようだ。